消費増税は実現できるのか “前のめり”の野田首相に立ちはだかる三つの難題

社会保障の膨張をどうするか

第三は、社会保障制度や財政全体の将来像を示すことである。

日本の一般会計予算(当初)は、民主党政権が編成を手掛けた10年度以降、90兆円を超え、それ以前の02(小泉純一郎内閣)~09年度(麻生太郎内閣)平均と比べて7兆~8兆円も膨らんでいる。この大半は、子ども手当導入をはじめ社会保障関係費の増加によるものだ。

今回の消費増税は、社会保障と税の一体改革に基づいているが、社会保障の分野では、給付の維持・拡充が相変わらず目立つ。年金では、低所得者への年金加算や受給資格期間の短縮(25年→10年)が盛り込まれ、医療でも、70~74歳の窓口負担を特例措置の1割から本来の2割へ引き上げることが見送られた。

それだけではない。民主党がマニフェストで掲げた月額7万円の最低保障年金を創設するには、消費税は今回の10%からさらに7%ポイント程度の引き上げが必要になるとの試算もある。「モラルハザードにつながる社会保障のバラまきはやめるべきだ。そうしないと穴の開いたバケツに水を注ぐようなもので、いくら増税しても足りなくなる」(森信教授)。

増税しても増税しても財政状態は改善しない、という悪循環から脱するには、社会保障給付の効率化・抑制という視点が欠かせない。浅羽隆史・白鴎大学教授は、「団塊世代に対する年金や医療の給付で、これから社会保障関係費の自然増が大きくなる。ここを放置するのか効率化するのかで大きな違いが出る」。

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