京阪、地上から消えた京津線「三条―御陵間」の今 地下鉄開業で廃止、だが直通で広がった路線網

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1997年10月12日、地下鉄東西線開業に伴い、京津三条、東山三条、蹴上、九条山、日ノ岡、御陵の地上駅が姿を消した。さらに歴史をさかのぼれば平安神宮前(1944年廃止)や岡崎通(1931年廃止)といった駅もあったようだ。

代わって地下鉄区間になった三条京阪―御陵間の途中には東山駅、蹴上駅が地下に置かれた。東山はレトロな味わいが人気の古川町商店街や祇園へ流れる白川が近く、平安神宮や京都国立近代美術館、京都市京セラ美術館、京都市動物園などが集まる岡崎エリアに徒歩でアクセスできる。

蹴上周辺は、京都と鎌倉の五山の上に位置づけられた南禅寺や、「インクライン」など京都の近代化を支えた琵琶湖疏水関連の史跡、村野藤吾の設計の名建築「ウェスティン都ホテル京都」が点在し、昔もいまも観光客の姿が目立つエリアだ。

京阪 80形
地上を走っていたころの京津線80型。蹴上の「ねじりまんぽ」付近(写真:京阪電気鉄道)

現在は地下鉄に直通

京津線は御陵―びわ湖浜大津間に区間が短縮された一方、御陵を介して地下鉄東西線と直通運転する京阪の車両「800系」によって、太秦天神川―びわ湖浜大津間16.3kmが乗車約33分、乗り換えなしで移動できるようになっている。

京都市中心部から浜大津方面へ向かう場合、御陵までは地下区間、山科からは逢坂山を越える急勾配・急曲線区間、びわ湖浜大津付近では併用軌道とバラエティに富む。800系は4両編成で、地下鉄、山岳鉄道、路面電車の各区間をこなす3つの顔を持つ車両として知られる。かつて本線との直通運転用に開発された60型の現代版といえそうだ。

京阪800系 山科 御陵 JRガード下
山科―御陵間でカーブしながらJR線をくぐる京津線800系の太秦天神川行き(記者撮影)
【写真】京津三条から御陵までは京都市営地下鉄東西線に取って代わられた。かつて東山三条、蹴上、九条山、日ノ岡、御陵の各駅があった地上の現在の様子は?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事