不平等の歴史、ピケティ「格差研究」のエッセンス 『平等についての小さな歴史』書評

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『平等についての小さな歴史』トマ・ピケティ 著
平等についての小さな歴史(トマ・ピケティ 著/広野和美 訳/みすず書房/2750円/264ページ)
[著者プロフィル]Thomas Piketty/仏パリ経済学校経済学教授。「経済発展と所得分配の相互作用」について主要な歴史的、理論的研究を行い、「国民所得に占めるトップ層のシェア」に関する研究を先導している。世界不平等研究所、世界不平等データベースの共同所長。

人間社会における社会階層間の不平等が歴史上どのように変化してきたかを考察する。

著者は『21世紀の資本』『格差と再分配』『資本とイデオロギー』などで知られる経済学者だ。「世界不平等データベース」などを活用して、世界の80カ国以上を対象に18〜19世紀から21世紀初頭までの貧富の格差の歴史的推移を探り、その解決を目指している。

歴史的データを基に代案を提示

著者曰(いわ)く、社会・経済・政治面の平等に向かう動きは目下進行中で、それは18世紀以降の数々の闘争や反乱、パワーバランスの変化による。その流れを今後さらに推し進めるには、既存の制度に対する代案を要することとなる。

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