食べログ事件で明るみ、巧妙な“ステマ”の実態 芸能人を使った方法も
実は、サイバーエージェントは花王のような広告主から依頼を受けて、アメーバを利用する芸能人や有名人にブログで商品を紹介してもらうビジネスを展開している。広告主が払う料金は1回60万~100万円強。それをサイバーエージェントが受け取り、ブロガーと分け合う。
同社はこれまで、こうしたブログを広告と明示することを強く推奨してきたが、強制はしてこなかった。「ブログ更新者の言論の自由を保護する」というのが理由だが、結果的にステマを容認していたことになる。今後は「芸能事務所などに対し、広告との関係性を明示することを強制も含め検討していく」という。
食べログの問題を受けてすぐ、消費者庁は調査に乗り出した。しかし、今のところステマを行った広告主を取り締まることは難しいという。
景品表示法では「当店の鶏料理にはすべて宮崎産地鶏を使用」と書かれていながら、実際には使用していなかった場合、行政処分の対象となる。一方で「おいしいことが正しいか正しくないかは主観だから、これで問うことは難しい」(福嶋浩彦長官)。また「やらせをもって違法とするのも難しい」(同)。
いたちごっこが続く
とはいえ、ステマの横行を放置すれば、サイトの信頼性が損なわれていくだけだ。
口コミマーケティングの業界団体であるWОМマーケティング協議会は1月中旬、大手広告代理店など参加する43社に、自主ガイドラインの周知徹底を呼びかけた。カカクコムは不適切な口コミの削除のほか、やらせ請負業者への法的措置も検討している。