ローカル鉄道に続々登場「復刻カラー」人気の秘密 何十年も前の初登場時の塗装が懐かしさを呼ぶ

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上信電鉄の担当者に、リバイバルカラーの立案と選定、過程等について教えてもらった。

――なぜ、リバイバルカラーを行ったのか。500形で西武鉄道のリバイバルカラーを実施した理由は?

「501・502編成が検査のため、車体の塗装を行う必要があった。また2024年は、当編成が上信電鉄入線20周年になることから、記念としてリバイバルカラーにした」

――ほかの車両(例えば自社の車両)1000形や6000形などで、デビュー当時のカラーリングに戻すという考えはなかったか?

「501・502編成の記念のためであり、ほかの編成についての予定はなかった」

――リバイバルカラーを実施するにあたり、関係各所の確認と許可、西武鉄道との調整は、どのように行われたか?

「西武鉄道と直接連絡を取り合い、趣旨にご理解いただき、快諾していただいた」

――車体塗装などの調整については、カラー見本があると思われるが、現地に取材等を行って進行したのか?

「カラー見本については、やり取りの中で、実際に使用している色を教えていただき、同種の塗料を使用した」

――西武鉄道のリバイバルカラーを行ったことで、鉄道ファンや地域の利用者の反応は?

「沿線以外にも、県内外からの問い合わせも多く、とても好調。運用に合わせて乗車されるお客様も多数いらっしゃる」

――今後、鉄道ファンや地域の利用者向けに、どのようなイベントを考えているか?

「当編成以外にもリバイバルカラーをまとった車両があるので、それらの編成や自社のオリジナルの車両とともに、コラボした企画等ができればと考えている。また、地域のお客様が上信電鉄により親しみを感じられるようなイベントやPR活動をしていきたい」

鉄道は思い出の中に宿っている

今後ほかの車種について、塗装変更やリバイバルカラー実施の予定はないとのことだが、地方私鉄の中でも、上信電鉄はオリジナル車両がたくさん存在し、地域住民のみならず、鉄道ファンにとっても、注目の私鉄だと感じる(取材時:2024年10月)。

銚子電鉄や上信電鉄以外にも、例えば、静岡の伊豆箱根鉄道駿豆線でも西武鉄道から新101系を購入し、西武イエローをまとったリバイバルカラーの運行が行われている。近江鉄道や三岐鉄道などでも、西武鉄道で活躍していた車両が現在でも運用されており、東京や埼玉在住の人が懐かしがって訪れることが多い。鉄道という媒体が、人々の心(思い出)の中に宿っていることが証明されているといってもいいだろう。

渡部 史絵 鉄道ジャーナリスト

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わたなべ・しえ / Shie Watanabe

2006年から活動。月刊誌「鉄道ファン」や「東洋経済オンライン」の連載をはじめ、書籍や新聞・テレビやラジオ等で鉄道の有用性や魅力を発信中。著書は多数あり『鉄道写真 ここで撮ってもいいですか』(オーム社)『鉄道なんでも日本初!』(天夢人)『超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道』(河出書房新社)『地下鉄の駅はものすごい』(平凡社)『電車の進歩細見』(交通新聞社)『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)ほか。国土交通省・行政や大学、鉄道事業者にて講演活動等も多く行う。

 

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