--緒方さんは健康食品の「青汁」を販売するキューサイにいらっしゃいました。らでぃっしゅぼーやとの出会いをお聞かせください。
1993年にキューサイに入社していろいろな新規事業の立ち上げを担当し、95年には事業開発部の責任者を務めていました。その頃、無農薬のコメや野菜を売る事業を検討したことがあります。
結局その事業は実現には至らなかったのですが、いろいろと下調べをしているときに初めてらでぃっしゅぼーやという会社の存在を知りました。結構売り上げが伸びているし、野菜宅配はこんなに市場があるのかと思いましたね。
らでぃっしゅぼーやのことをすっかり忘れていたころ、99年くらいですか、期せずしてM&Aの話が舞い込んできたのです。当時のキューサイ社長から「らでぃっしゅぼーやが株を売る」と聞き、僕はぜひM&Aの部隊に加えてほしいと申し出ました。
ビジネスレビューを担当することになったんですが、調べるうちにこの会社はやっぱり面白いなと思いました。「らでぃっしゅぼーやに行かせてほしい」と社長に直訴したんです。実際に買収が成立すると「行くなら社長で行け」と言われまして(笑)、2000年に、らでぃっしゅぼーやの社長に就任したというわけです。39歳のときでした。
--社長を務めるに当たり、自信はあったのですか。
自信はなかったし、アップルからマクドナルドへ移った原田泳幸社長みたいに経営のメソッドやノウハウを持って移籍したわけではないので解もありませんでした。ただやりたいだけでしたね。