悪質アダルトアプリの「恐喝」、正しい対応は さらに悪質・巧妙化する「ランサムウェア」

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「利用者に被害を与えるソフトウェアを作成・提供したり、人に実行させる行為は、不正指令電磁的記録に関する罪に問われます(刑法168条の2)。その態様やソフトウェアの詳細な内容にもよりますが、今回のケースは、この罪に該当する可能性が高いでしょう」

おカネを要求している点はどうだろうか。

「『アダルト動画を見ようとした人』として、その人の写真をばらまくことや、データの削除という害悪を予告しており(脅迫)、かつ、それを道具におカネを支払わせようとしているので、恐喝罪が成立する可能性が高いでしょう(刑法249条)」

支払ったおカネは戻ってくるの?

もし仮に、写真をばらまかれることを恐れて、おカネを支払った人は、後から取り戻すことはできるのだろうか。

「基本的に、このような犯罪で支払ってしまったおカネを取り戻すことは困難です。相手は、犯罪だと知りながらやっているわけですから、収益の隠ぺいには念には念を入れているはずです。なので、被害に遭わないように対策することが、何よりも大事です」

どんな対策があるのだろうか。

「たとえば、セキュリティ対策ソフトを導入すること、出所の怪しいソフトウェアは使わないこと、評判を聞いて(裏を取って)から利用すること、などがあります。

かつて、マルウェア(コンピューターウイルスなど、不正な動作をさせて害を与えるソフトウェア)は、単に破壊行為をするだけで、作成の動機も単なる愉快犯であることがほとんどでした。

しかし昨今は、今回のランサムウェアのように営利目的でおこなわれ、その態様も悪質・巧妙化しています。コンピューターの安全も、自分で守るという意識が求められていると思います」

深澤弁護士はこのように述べていた。

深澤 諭史(ふかざわ・さとし)弁護士
ネットやコンピューターにまつわる法律事件を中心に取り扱う。ネット選挙の法務では関係者向けの講演などを実施。近著に「その『つぶやき』は犯罪です(共著、新潮新書)」がある。
事務所名:服部啓法律事務所

 

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