生成AIでアップルも頼る最強の裏方企業「AWS」 「カスタムシリコン戦略」を強力に推進
AmazonのECを支える巨大な倉庫・配送拠点で配送商品の出荷プロセスの最適化、倉庫・配送拠点で動作しているロボットや、Amazon Prime Videoのリコメンデーション(アプリなどでユーザーにお勧めの動画を紹介する仕組み)、無人店舗「Amazon Go」などにはいずれも生成AIが使われ、迅速に製品を出荷したり、よりユーザー体験を提供したり、場合によっては無人店舗により効率アップなどを実現している。
さらに、スマートフォン向けアプリに生成AIを活用したAmazonのコンシェルジュ機能「Rufus」(ルーファス)に関しても紹介された。Rufusを使うと、一般消費者は小売店で店員に相談しながら購入するというユーザー体験をスマートフォンで通販を活用する時に再現することができる。
そうしたAmazonの生成AIを活用したイノベーション(技術革新)を支えているのがAWSのAIインフラとなる。そのITインフラを、横展開してAmazon以外の顧客に提供する事業、それこそがAWSの事業ということになる。
アップルの生成AI「Apple Intelligence」を支える
そうしたAWSが今力を入れている事業がある。それが「カスタムシリコン」と呼ばれる、事業会社が自分で設計し、TSMCのようなファウンドリー(受託半導体製造事業会社)に委託して生産している半導体製品事業だ。このカスタムシリコンを設計するために、AWSは2015年にAnnapurna Labsというイスラエルの半導体設計企業を買収し、そのAnnapurna LabsがAWS向けの半導体を設計し、ファウンドリーで製造して自社のサービスなどに活用している。
AWSが提供するクラウドサービス事業では、世界各地に設置されるデータセンターの中に、無数のCPUやGPU、そしてネットワークカードといった多数の半導体製品が使われており、そうしたAWSの事業にとって多大なコスト負担になっている。それを仮に自社製品に置き換えることが可能になれば、大幅なコスト削減が可能になり、利益率は大幅に向上するからだ。
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