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撮影厳禁!マイクロソフト「AI半導体」開発の内幕 ベールに包まれた「ハードウェア帝国」の実像

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マイクロソフトの生成AI・クラウド戦略を占う超重要プロジェクト。その研究拠点に足を踏み入れた。

マイクロソフトが独自開発した半導体
マイクロソフトが独自開発した半導体「マイア」と「コバルト」。インテル出身の幹部らが参画し、何年も前から開発を進めてきた(写真:マイクロソフト)

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3月上旬、アメリカ西海岸のシアトルにあるマイクロソフト本社。1400万平方フィート、東京ドーム約30個分という広大な敷地を連絡バスで移動し、記者はある施設に足を踏み入れた。

「ビルディング50」。そう呼ばれる研究棟は、入ってすぐの受付や休憩スペースを見渡す限り、何の変哲もない建物だ。

そして、建物の番号と同じ「50」という数字が掲げられた休憩スペースを撮影していると、不意に「50.1」とペイントされた通路の入り口に差し掛かった。「ハリー・ポッター」シリーズで、ロンドンからホグワーツ魔法魔術学校へと向かう隠しホーム「9と3/4番線」が頭をよぎる。本能的に、この通路の重要性を察知した。

ビルディング50の外観と内部のカフェ。一見、何の変哲もない建物だが……(記者撮影)

カメラを構えたところ、途端にラボのスタッフが「ノーピクチャー!」と語気を強めた。海外メディアとともに「通路の概観ぐらい撮影できないものか」と食い下がったが、認められなかった。

それもそのはず。この奥では、マイクロソフトの生成AI・クラウド戦略を占う超重要プロジェクト「独自半導体」と密接に絡む研究が進められているのだ――。

極秘裏に進められた半導体開発

2023年11月、マイクロソフトは独自開発の半導体「マイア」と「コバルト」を発表した。

大手半導体メーカー・インテル出身の幹部が複数参画し、何年も前から秘密裏に進められてきたという同プロジェクト。量産を担うのは、台湾にある世界最大の半導体製造受託会社・TSMC(台湾積体電路製造)だ。

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