革靴の手入れ「プロお任せorセルフ」選択の最適解 注目集めるシューシャイナー、ケア用品も充実
ここ数年、人気を集めている革靴。継続的にケアを行ってこそ真価を発揮するアイテムですが、実は今、このケア=「靴磨き」の世界も盛り上がっています。
「大切に使い続けよう」とセルフケアに力を入れる人が増えているほか、靴磨き専門の店舗やサービスが拡大しているのです。日本を含む先進国では昨今、「靴磨き選手権大会」なる競技イベントも人気を博しています。
そんな“靴磨き界隈”に迫りつつ、人気のサービスやケアのコツをご紹介したいと思います。
時代が生んだプロの「シューシャイナー」
まず靴磨きのサービスと言えば、「路上で年老いた方に磨いてもらったことがある」という経験を思い出す方も多いかもしれませんが、そのイメージは今、ガラッと変わりました。
ここ10年ほどの間に靴磨き職人は「シューシャイナー」と呼ばれるようになっています。とくに若い世代からは「スタイルアップに不可欠なパーソナルアドバイザー」として認識され、憧れの職業にまで進化しています。
その背景には、革靴業界を取り巻く大きな環境変化がありました。
例えば、ユーザーの時短意識の高まりが挙げられます。今の働き盛り世代は、休日にのんびり革靴を磨く時間を取れない人が多く、お金を出してプロに外注する人が増えているのです。
牛革の質の低下も深く関係しています。ここ数十年で世界的に食肉需要が増大し、牛肉は供給が追い付かなくなりました。そのため、飼料に成長剤を添加するなど、短期間で大きく成牛にすることが一般化しました。
革靴に用いる牛革は牛肉の副産物なので、当然その影響を受けます。密度の落ちた革を美しく見せるため、表面のコーティングや色付けを工夫した牛革が多くなったのです。これらはケアにコツがいるので、プロのシューシャイナーを頼る人が増えました。
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