革靴の手入れ「プロお任せorセルフ」選択の最適解 注目集めるシューシャイナー、ケア用品も充実

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円安やインフレの影響も大きいです。近年、海外の有名ブランドの革靴は販売価格が高騰し、中には10年前の3倍近くの値段になったものも。その結果、高価だからこそケアをプロに依頼しようと考える人が増えました。質のよいユーズドを求める人も増え、中古品ゆえの革質の劣化をケアして輝きを取り戻してくれるプロに靴磨きを依頼、という流れも定着しつつあるのです。

カウンター・出前・宅配と選択肢が豊かに

近年、路上での営業活動は新規許可が下りない事情もあり、シューシャイナーは主に2つの形態に進化しました。

まずは、顧客とカウンター越しに話をしながらその場で磨く、あるいは革靴を預かってケアをする店舗形態。もう1つが、店舗を持たず、顧客の要望をSNSのチャットやDM等でヒアリングしたうえで、革靴を宅配便で送ってもらったり自ら顧客の元に受け取りに行ったりしてケアを行う形態です。

どちらの形態も、個人宅や会社に出向いてまとまった足数を磨いたり、百貨店や地域のイベントに積極的に参加したりして、ファンを集めています。中には政財界の超大物を顧客に持つシューシャイナーも。

インポートの革靴の名店がひしめく東京の南青山・骨董通りにある「Brift H(ブリフト アッシュ)」は、店舗形態のパイオニア。まるでバーテンダーのように職人がカウンター越しに顧客と対面で靴を磨くスタイルは、同店が元祖です。

Brift H店舗と新井田氏
Brift H/東京都港区南青山6-3-11 PAN南青山204/03-3797-0373(左)、日本の靴磨き選手権大会で、2023年と2024年で2連覇を飾った新井田隆氏(右)(写真:Brift H提供)

創業者の長谷川裕也氏は、2004年に東京駅近辺の路上で靴磨きを始め、その奥深さに魅了されたそうです。世界の足元に革命を起こそうと同店を2008年にオープンし、2017年の第1回世界靴磨き選手権大会では優勝を飾りました。同僚の新井田隆氏も、世界大会以上に優勝が難しい日本の靴磨き大会「SHOESHINE GRAND PRIX」(2024年までの名称は「靴磨き選手権大会」)で2連覇を飾るなど、同店はサービス面・技術面共に、世界の靴磨き店のフロントランナーであり続けています。

靴磨きのbeforとafter
靴磨きのbefore(左)after(右)(写真:Brift H提供)
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