革靴の手入れ「プロお任せorセルフ」選択の最適解 注目集めるシューシャイナー、ケア用品も充実

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群馬県前橋市の「クツビガク」のように、地方都市の店舗も元気です。店主の木嶋友和氏はもともと住宅関連のビジネスマンでしたが、仕事で履く革靴とそのメンテナンスに心を奪われ、靴磨き職人に転身した経歴の持ち主。

クツビガク店舗と靴
クツビガク/群馬県前橋市西片貝町1-304-12/080-4004-2330(右)、独自のメソッドで磨き上げる(左)(撮影:市根井直規)

県内外のイベント参加など、越境ビジネスにも積極的です。独自のメソッド、そして陽気で話し好きな木嶋氏の性格も相まって全国的にファンが多く、彼が出る靴磨きイベントはつねに大盛況。県外から前橋市の店舗にわざわざ訪れるファンもいます。

クツビガクの木嶋友和氏
クツビガクの木嶋友和氏(撮影:市根井直規)

店舗を持たない靴磨き職人の筆頭が、京都・宇治市にある「MA靴磨きin宇治」。代表の赤塚誠氏は高級腕時計の外商からこの世界に飛び込み、前述のBrift Hで修行していた方です。

コロナ禍で顧客ニーズの変化に触れた経験から、地元・宇治市での独立の際には無店舗のスタイルを採用。自宅や職場に出向く「出前形式」や「宅配形式」のほか、カフェなどでの受け取りも対応しています。

赤塚誠氏と染替えした靴
アフリカンバティックの着物に中折れ帽姿の装いがトレードマークの赤塚誠氏。京都の寺院や参道での定期市では存在感抜群。/MA靴磨きin宇治/090-5078-6025(左)、染め替えも得意(右)(写真:MA靴磨きin宇治提供)

探求が楽しい「大人の趣味」に昇華

もちろん、靴磨きはプロの専売特許ではありません。サステナブルな意識からセルフケアを選ぶ人や、無心に革靴を磨くことで日頃のストレスを発散している人も多いです。ここ10年で革靴のケアアイテムが一気に多様化したことも手伝い、靴磨きが「大人の趣味」へと昇華した感もあります。さまざまなケアアイテムを入手し、ベストレシピを探求する沼にハマる人が増えているのです。

ケア自体は難しくはないので、「基本のキ」はぜひ知っておきましょう。カビを落としたり、鏡のようにキラっと光らせたりなどの高度なケアは専門家にお任せするのが無難ですが、最低限のお手入れを習慣にしておくだけで、革靴の寿命は確実に延ばせます。

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