「中国産食品を闇雲に避ける人」が知らない事実 中国産=危険という発想が染み付いてないか

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私は餃子事件の後、何度か中国を訪問して日本向け野菜の栽培地や冷凍加工工場などを視察しましたが、日本国内の工場よりも安全管理のレベルは上、と思うことがしばしばありました。中国人と日本人が共同で取り組んでいるのです。

日本の食料自給率はカロリーベースで38%しかありません。日本で休耕地を農地に変え生産をがんばったところで、日本の1億2000万人強の食品生産をまかなうにはまったく足りません。

水産物も十分な量はとれません。輸入食品、中国産食品も、日本人の食卓を助けてくれる大切なパートナーです。偏見のない目で見てゆきましょう。

農薬や食品添加物は「体に悪い」のか

農薬や添加物もまた「危険」というレッテルを貼られがちです。

農薬や食品添加物は化学物質の一種であり、どれくらい摂取するかによって体への影響が大きく変化します。そのため、安全性の確認は、非常に慎重な手続きによって行われます。

まず、複数の動物に食べさせる試験を行って、「その動物が毎日食べてもどこの臓器や体の部位にも悪影響が認められない、体重1㎏あたりの量」を求めます。このとき、通常はマウスやラットというネズミの仲間などを用いて試験をします。この量を「無毒性量」と呼びます。

もちろん、この動物の無毒性量をそのままヒトに当てはめるわけではありません。動物たちが平気な量でも、ヒトには害があるかもしれないからです。また、ヒトには個人差もあり、反応の程度も異なるはずです。

そのため、無毒性量の100分の1の数字を通常、ヒトの許容1日摂取量(ADI)とします。これは、一生涯、毎日食べても体への悪影響が出ない量です。科学者たちがさまざまな試験を重ねながら時間をかけて構築したこのやり方の信頼度は高く、どの国でもこの方法がとられています。

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