過熱する中学受験、「カテゴリ別」の学校選びで見えてくる成功への近道 入学後も後悔がない!家庭で必要な受験軸とは

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こうして「中学受験の沼」にハマる親子を何組も見てきました。だからこそ、受験沼から抜け出し、受験を成功させるためには、「受験軸」が欠かせないと痛感しています。

受験軸とは、「何のために受験をするのか」「どう受験をするのか」についての家庭内での基準のことです。

受験軸を決めることは、受験勉強の理由(動機)を決めることでもあります。勉強の動機と成績には深い関係があるのをご存じでしょうか。ある調査では、「勉強をすることが楽しいから」「自分の夢をかなえたいから」などの自律的な動機で勉強する子どもの成績が、動機がないまま勉強をする子より高いということがわかっています。

当然の結果と言えるかもしれませんが、自分で決めた軸(動機)をベースに、受験に向かうことで成績も上がりやすくなるといえるでしょう。さらに、受験軸があると、徐々にですが、他者の存在や外部のモノサシに親子共に振り回されなくなります。

受験での親子ゲンカは、「なんで勉強を頑張れないの?」「なぜ、やる気を出せないの?」と、親から子どもに非難のベクトルが向き、親子が対立することで起こりがちですよね。目標もなく「ちょっとでもいいところへ」という思いで受験勉強を行うと、それを達成できない子どもを変えたくなり、子どもに注意したくなります。

そして、出口のないトンネルを走ることになり、子どもも親もフラストレーションがたまり、衝突も増えてしまうのです。でも、「なんのために受験するのか」「どう受験するのか」という「大きな目的(軸)」を家族で共有できれば、うまくいかない場合でも、子どもと一緒に立ち止まって広い視野でどうすればいいか考えることができます。

「自分たちで決めたゴールにどうやってたどり着いたらいいか」と考えることで、親子でのすれ違いも減っていくでしょう。このように受験軸を持つと、出口が見えない中学受験の悩みからも解放されていくのです。

受験直前期だからこそ、わが家の受験軸を見直す

今は12月。年が明ければいよいよ入試が始まります。今まさに受験直前という方もいらっしゃるでしょう。目前に入試が迫ったこの時期、現実的な受験準備に追われたり、学習面の不安に直面したりと手いっぱいかもしれません。

12月最後の模試で思うような結果が出ず、今さらながら受験校を変えたほうがいいかなと、悩む人も多いです。かつて私も子どもの中学受験を経験しましたが、まさに小6最後の模試の結果が振るわず、受験校を変えたほうがいいのか悩みました。

結果的には受験する学校は変えず、最後の2カ月は過去問対策で乗り切りましたが、今の中学入試は、受験日程も入試要項も複雑で、どの日程にどこの学校を受験するのか、今なお悩んでおられる方もいるでしょう。同じ学校でも、偏差値も日程によってまったく違うので、一概に模試の合否判定の結果だけで併願校を決めるのは危険です。

ですから、実際に出願するときには、日程ごとの募集状況や難易度も詳しく見ていく必要があります。そんな時こそ、我が家の受験軸を見直し、軸に沿った学校選びをすることが大切です。併願校選びで押さえておくべきポイントは、次の3つです。

反対に避けたいのは、不合格が続いて、それから慌てて出願し、見学したこともない学校を受験することです。受験する学校は事前に一度は訪れたところにしましょう。

受験軸に沿って見ていけば、だんだんわが家、わが子に合いそうな学校というのが見えてくるはずです。それが見えてきたら、実際のお子さんの合格可能性の数字と照らし合わせながら、意中の学校を4、5校に絞って、組み合わせていくのです。このときには偏差値も活用してください。

ここでもう一度、何のために中学受験をしようと思ったのか、どんな中学校生活を送りたいのかをお子さんと一緒に話し合って、最終的に受験する学校を決めてください。

わが子にあった学校選びのための「カテゴリー別」学校の特徴

最適な学校を選ぶための、10のポイントは以下の通りです。

『中学受験 親子で勝ちとる最高の合格』(青春出版社)では、校風(サポート型か、自主性尊重か)と教育方針(プログレッシブ教育か、受験科目重視か)から学校の傾向を見るマトリクスと、取り組みから学校の特徴を見るレーダーチャートを提供していますが、ここからは、首都圏模試の受験者の間で志望者が増加している学校の中から、マトリクスのどこに入るのかをいくつかピックアップして解説します。

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