中学受験で「平均偏差値-4」の安全校を見定めるには?親子で後悔しないコツ 学校説明会・文化祭から「子の学校生活」を想像

受験パターンの構築では早期に「合格」を確保
中学受験生の保護者は、胃の痛い日々を過ごしているころかもしれない。わが子の模擬試験の結果が次々と返却され、その数値をもとに受験校を悩んでいる人も多いだろう。よくも悪くもネットが普及し、この学校は受験生が増えそう、あるいは減りそう、といった情報も入ってくるため、気が気でないかもしれない。
さて、首都圏の中学受験は依然として厳しい世界だ。見事第1志望校に合格できる子よりも、その夢が叶わない子どもたちのほうが圧倒的に多い。全員が全員、中学受験を「後悔なく」終えるのは不可能である。それでも私は、受験校の選定次第で「後悔」を軽減できる可能性があると思うのだ。
具体的にはまず、わが子の秋の模擬試験の平均偏差値を尺度に、受験校を「挑戦校」「実力相応校」「安全校」に分類する。

そして実質倍率が落ち着く2月1日午前、2月1日午後、2月2日午前のどこかに「安全校」を組み込み、合格を確保するのだ。たとえ第1志望校が不合格になってしまっても、「安全校」に合格していれば、そのことが2月3日以降の入試を闘う気力や意欲を授けてくれる、と私は考えている。
わが子にとって魅力ある「安全校」を探す

中学受験指導スタジオキャンパス代表/国語専科・博耕房代表
著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書/文藝春秋)、『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書/講談社)、『ぼくのかんがえた「さいきょう」の中学受験』(祥伝社新書/祥伝社)など。Xアカウントは@campus_yano
(写真は本人提供)
中学受験の「後悔」を軽減する方法はいたってシンプルで、親子ともに「ここなら中高6年間通いたい」と思える「安全校」を見つけることだ。
「安全校」となる学校は当然、偏差値一覧表における偏差値レベルは下がるだろう。しかし、中高一貫校の価値は偏差値だけでは決まらない。もちろん、偏差値の高い学校は、いわゆる“一流大学”への進学者は多いはずだ。しかし、「その学校に入れば一流大学に進学できる」と約束されるわけではない。しょせん、合格実績はよその子どもたちの結果であり、わが子が同じ道をたどれる保証はどこにもない。これは、どの学校でも言えることだ。