この建物は「ドラード和世陀(わせだ)」という名の集合住宅である。設計は「日本のガウディ」と呼ばれる建築家の梵寿綱(ぼんじゅこう)さんによるものだ。200平米の五角形の変形の敷地に立つ6階建てで、最上階には円形のペントハウスがある。分譲マンションとして1983年に竣工した。
正面に立って見上げると、外観の凸凹がよくわかる。思わず手を伸ばして触れたくなる“生き物”のような建築だ。
顔や身体の彫刻が埋め込まれている
周囲を歩いて建物を眺めると、顔や身体の彫刻、鮮やかなタイル、鍛造のオブジェが次々と目に入る。タイルや彫刻には絵が描かれ、建物全体が大きな表現の場のように感じられる。
1階には「ドラードギャラリー」とイベントスペースの「ドラードサロン」、美容室が入り、2階以上に住居エリアがある。
設計した梵さんは、90歳を迎えた。時にはCADで図面を引き、進めている仕事もあるそうだ。
今回は、共用部を見せてもらいながら梵さんに話を聞いた。
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