電子ペーパーデバイス市場で起きている2つの変化 「カラー電子ペーパー」が拓くペーパーレスの新時代

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各メーカーの製品アプローチにも特徴がある。電子書籍リーダーベースの製品は、電子書籍ストアとの連携を生かしながら手書き機能を追加。BOOXシリーズなどの汎用タブレット型製品は、Android OSを搭載して多様なアプリケーションが使える設計だ。

これに対してクアデルノは、PDF閲覧と手書き入力に特化した専用設計を採用している。アプリケーションを起動する機能は持たず、文書作業に最適化された純粋なデジタルペーパーとしての性格を明確にしている。PDF閲覧と手書き入力という基本機能に集中することで、ビジネスや学習での文書作業をスムーズにこなせる製品となっている。

FCCLは2018年12月の発売以来、モノクロ表示で展開してきたクアデルノを、このタイミングでカラー化に踏み切った。電子ペーパーのマイクロカプセル層とタッチパネル層の間にカラーフィルターを挿入する技術を採用。8色のシンプルなカラーパレットを実現し、用途に応じた色を直感的に選べるよう配慮した。メインペンとハイライトで初期カラーを分けることで、各ペンの機能が瞬時にわかる仕様となっている。

クアデルノ
クアデルノはE Ink社のカラー電子ペーパーを採用している(筆者撮影)
カラーパレット クアデルノ
ペン入力では8色のカラーパレットを用意し、カラフルなノートを製作できる(筆者撮影)

電子ペーパーはどう活用できるのか

クアデルノは、日々のビジネスシーンで紙の代替として活用できる。会議では、事前に送られてきた資料をPDFでクアデルノに入れておけば、数十ページの紙資料を持ち歩く必要がない。

会議中の手書きメモやマーカー書き込みも自在で、議論の要点を書き留めたり、重要箇所に印をつけたりできる。カラー化により、優先度に応じた色分けや、グラフ・図表への書き込みもよりわかりやすくなった。

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