激安眼鏡JINSの挑戦、“機能性”で新市場を狙え
眼鏡業界の構造が大きく変わろうとしている。その台風の目となっているのが、快進撃を続けるジェイアイエヌだ。
同社が展開する眼鏡専門店「JINS」は、既存店売上高が2009年5月から31カ月連続で前年比プラスを維持。昨年の販売本数は230万本と、数量ベースでは業界ナンバーワンに躍り出た。
今、そのJINSの店頭で目立っているのは、パソコンによる目の疲労を軽減する眼鏡、ドライアイを軽減する眼鏡など、特殊な機能を打ち出した商品だ。
これまで眼鏡に求められる機能は、一にも二にも視力矯正だった。当然、眼鏡専門店が扱う主力商品は度のついた“眼鏡”。だが、JINSでは昨年から前述のような“機能性眼鏡”を本格的に展開。一気に商品群を拡大している。
近年、眼鏡市場は縮小の一途をたどってきた(グラフ)。2000年代に登場した低価格店の拡大で眼鏡の単価下落が進んだことが最大の原因だ。が、それだけではない。「長年、視力矯正用途にとどまり、新たな商材を開発してこなかったことも大きい」と野村証券の池内一アナリストは指摘する。