意外と驚かれた「ベネトン」が日本撤退に至るまで 80年代に一世を風靡したブランドの栄枯盛衰

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2018年には、創業者のルチーアノが代表に復帰し、アーティスティックディレクターに色の魔術師と呼ばれるベテランのジャン=シャルル・ド・カステルバジャックを起用。これまで距離を取ってきたファッションショーを初めて行ったが、思ったほどの成果は得られなかったようだ。

2022年には元トッズのアンドレア・インコントリがクリエイティブディレクターに就任し、2023年春夏にミラノファッション・ウィークでショーを披露したが、こちらも2024年8月に退任している。

親会社のエディツィオーネは絶好調

ベネトンは1986年にミラノ証券取引所に上場したが、ベネトン家が運営する持ち株会社のエディツィオーネ(EDIZIONE)が株式を買い付け、2012年に上場廃止となっている。

ベネトンの2022年度の売上高は10億400万ユーロ(約1651億円)、純損失は8100万ユーロ(約133億円)。2023年度の売上高は11億ユーロ(約1808億円)、純損失は2億3000万ユーロ(約378億円)で、増収となったものの赤字幅が拡大している。

トレヴィーゾにあるベネトン本社。(©︎Corrado Piccoli)

しかし一方で、親会社のエディツィオーネの業績は好調である。1981年にベネトン家の持ち株会社として創業した同社は、輸送インフラ、デジタルインフラ、金融機関、飲食・飲料・旅行・小売、不動産、農業、衣料、テキスタイルと幅広いジャンルの事業を展開している。2023年度の売上高は1兆5622億円で、2023年12月31日時点の純資産価値は1兆9240億円にも及ぶヨーロッパでも有数の持ち株会社なのだ。

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