高齢化団地の管理組合"ポンコツ理事長"奮闘記 個性的な理事会メンバーと挑む戦いの幕開け

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管理委託が始まってほっとした住民は実に多かった。「一部委託」でしかないのに、「完全委託」になったかのような錯覚に陥り、まるで魔法にかかったように、完全なる思考停止状態になってしまいました。管理委託になっても、自分たちがやらないといけないこと、判断しないといけないことが残されているにもかかわらず、です。

これが大きな落とし穴だったのです。

住民側の「管理会社にお願いすることになったのだから、住民の負担をもっと軽くしてほしい」という訴えに対し、管理会社は次第に「委託内と委託外の業務があり、委託外の業務は担当することができません。ご理解を賜りますようお願い申し上げます」というスタンスを強めてきました。

「一部委託」とは一体どこからどこまでなのか、この混乱は管理委託開始後8年を経過した今も議題に上がっています。

理事会メンバーの約半数が高齢者だった…

理事会メンバー イラスト
理事会メンバー12名中、5名が65歳以上。このうち3名は9年前の理事会でも一緒で、そのうち1名は元・理事長。しかし面と向かって年齢を尋ねるのに遠慮があり、実際の年齢を把握できたのは発足から半年の月日が経ってから(イラスト/てぶくろ星人)

1981年の竣工当時、似たような間取りに、似たような暮らしを送る、似たような家族が一斉に入居しました。経済は上向きで、夢と希望にあふれ、建物は新しく、設備面のトラブルも少なかった。

あれから42年。「自主管理」から「一部委託」に管理方式が変わっても、「階段ごとに1名ずつ」という理事会メンバーの選出方法は変わりませんでした。1棟につき3本の階段があるので、理事は3名。4つの棟から合計12名の理事が立ちますが、「詳しいから」「人望があるから」といった理由ではなく、単純に全戸持ち回りで、任期は1年のボランティアです。

さて私が理事長を務めた2023年度は、というと、12名のうち、65歳以上の高齢者が5名いました。竣工当時から暮らしている理事が4名で、10年ほど前に転入した理事が1名です。「竣工当時からの居住者かどうか」というのは私が考えていたよりも大事な観点で、理事会の運営に多少の不協和音をもたらしていました。

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