高齢化団地の管理組合"ポンコツ理事長"奮闘記 個性的な理事会メンバーと挑む戦いの幕開け

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私が暮らす団地は1981年に竣工しました。父にとっては、勤めていた会社の社宅を出て、初めて手にした自己所有の新築物件です。父は三男。母は次女。どちらも長子でなく、受け継ぐ家を持たなかった親にとって、当時、“最先端”と言われた団地は手の届く幸せのカタチ。

団地暮らしが気に入った父母はその後、戸建てに移るチャンスに恵まれてもあえて見送ったほどでした。

ところが、です。

日本社会は高齢化に歯止めがかからず、その一方で団地の老朽化が深刻化。離婚して実家と同じ団地に戻り、向かいの棟に入居すると、その年に管理組合の理事会に出席するように言われました。今思えば、あのころから理事のなり手が足りていなかったのでしょう。

そして17年の月日が流れました。その間に私は4回も理事となり理事会に出席していますが、だからといって決して熱心なメンバーというわけではありません。

単身で、締め切りのある仕事を抱えながらの生活はとても不規則。理事の仕事は前年度の2月に行われる“役決め”の互選から始まるのですが、前の3回はすべて母が代理で参加してくれました。4度目にして初めて“役決め”の場に自ら顔を出したのは、父が他界し、母も高齢で、代理とはいえ、とても話し合いの場には出せない、と痛感していたからでした。

集合住宅の管理方法「自主管理」と「管理委託」

団地を「管理」の目線で見るに当たり、前もって大切なポイントについて触れておきましょう。

それは、管理方式の違いについて。

集合住宅の管理方法には大きく分けて2つ、「自主管理」と「管理委託」があります。「自主管理」とは団地の管理業務をすべて住民で担うやり方です。

週に2度のゴミステーションの清掃、夏場の散水、月に1回の敷地内清掃、月に一度の理事会開催、議事録の作成、億単位の会計処理等々はすべてボランティア……私たちの団地では竣工以来、この「自主管理」方式を続けていました。

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