高嶋ちさ子の体験談で露見「ボトックス」のリスク 自己注射する人も?美容外科医が警鐘を鳴らす
一般に言う「ボトックス」とは、ボツリヌス菌から抽出したタンパク質である「ボツリヌストキシン」を含む製剤のこと(※ボトックスは米製薬大手・アラガン社の製品名だが、本記事ではボツリヌストキシン製剤の通称として使用)。
筋肉の緊張を和らげる効果があるため、注射するとシワ改善や小顔効果が期待できる。
しかし高嶋のように、注射後のトラブルを訴える人は少なくない。国民生活センターには、「笑うと左口角が上がらなくなった」「顔全体が垂れ続けた」「左目が半分開かなくなった」といった相談が多数寄せられている。
“自称玄人”が自分で注射するケースも
美容整形外科「城本クリニック」福岡院の小川英朗院長のもとにも、「ボトックスを打って失敗したのでなんとかしてください!」というSOSが頻繁に届くという。
「『額に打ったら、まぶたが垂れ下がって怒ったような顔になった』『目尻に打ったら、笑ってもシワができずかえって不自然になった』など、注射部位によってトラブルの内容はまちまちです。
ただ、ボトックスの効果は4カ月しかもちません。失敗したと焦る患者さんには、『時間が経てば治りますよ』と説明しています。
また劇的な効果は望めないものの、ボトックスの効果を弱めるアセチルコリン塩化物を注射するなどのケアをすることもあります」(小川院長)
トラブルが起きる原因には、顔の筋肉が非常に複雑な構造をしていることがある。たとえば口元の動きは、幾重にも重なりあった複数の筋肉によって制御されている。
患者が求める美容的効果をあげるため、医師たちは経験をもとに薬剤の投与量や注射部位を綿密に割り出すが、薬剤が皮膚組織内でじわじわと拡散した結果、狙った筋肉とはちがう筋肉にも作用し、予想していない事態を招くこともあるという。
そうならないために、医師であってもボトックス注射には確かな経験と知識が必要になってくる。にもかかわらず、一般人がボトックスを個人輸入して自分で注射しているケースもあるというから驚きだ。小川院長が言う。
「美容好きの自称玄人が、ネット上で売られているボトックスを原価で仕入れて、YouTube動画などを参考にしながら見よう見まねで注射しているという話は耳にします。