「え、ジュニアシートがない…」カーシェアに異変 これまでは標準搭載されていたが、順次終了中

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同社によれば、搭載終了の発端は、国連欧州経済委員会が定めるチャイルドシート・ジュニアシートの安全基準の厳格化が関係している。2023年9月1日から新基準R129に移行し、旧基準の製品をメーカーは生産・出荷できなくなった。

これに伴い、これまでタイムズカーが装備していたジュニアシート(座面のみのいわゆるブースターシート)が生産終了し、調達できなくなったという。

加えて、新基準のジュニアシートは、側面衝突に耐えられる設計が求められるなど、従来に比べてサイズアップした。その結果、車種によってはジュニアシートをトランクに積載できなくなり、また搭載できたとしても他の荷物を積む余裕がなくなってしまうケースが想定された。

そのため、ジュニアシートを必要としない利用者の利便性を鑑みて、2023年9月以降に新たに配備する車両への搭載を見送る運びとなったと説明している。

ジュニアシートの搭載終了を告知するdカーシェアのHP。搭載終了の理由として「車内での常備搭載に伴う衛生面の確保が困難であること」も挙げられている(画像:dカーシェアHP)

5歳のジュニアシート着用率は6割

カーシェアからジュニアシートがなくなることで懸念すべきは、ジュニアシートを着用せずにカーシェアの車に乗る子どもが増加する恐れがあることだ。

カーシェアの車におけるジュニアシートの搭載終了については「2023年8月23日~9月30日の期間でマイページ(ログイン後の会員ページ)のお知らせに掲載していた」(パーク24)というが、利用者が乗車前に把握しているかは不透明だ。

カーシェア利用者がジュニアシートの搭載の有無を知っていようがいまいが、子どもの安全の責任は当然ながら保護者にあり、準備がないなら車の利用を中止するなどの対応が必要だ。しかし、そうした考えの保護者ばかりではないだろう。

2024年のJAFの調査によれば、1〜4歳のチャイルドシートの着用率は80.7%だが、5歳のジュニアシートの着用率は57.9%となり、大幅に低下している。法律上着用義務があるにもかかわらず、チャイルドシートからジュニアシートに切り替える段階で、着用をやめる保護者が一定数いるのが現状だ。

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