「津波に飲まれ20秒」生還果たした写真家の後悔 水中でもみくちゃにされ、天地も何もわからない
東日本大震災から早13年。この日を境に人生が変わったという人も少なくないが、地震に水害、自然の猛威には敵わないことを身をもって体験した人もいる。
当時、福島県いわき市で取材中に津波に飲み込まれ、奇跡的に助かった写真家・高橋智裕さんもそのひとりだ。そこからの人生を変えるほどの危機的状況と、そこから得た「気付き」について伺った。
大地震のあと、写真を撮るため海へ向かった
福島県いわき市で生まれ育った高橋さんは当時、地元のタウン誌のカメラマンとして働いていた。
地震が起きたのは14時46分。いわき駅周辺で仕事を終え、市内の内陸部にある自宅へ車で帰宅しているところだった。そこへ震度6弱という強烈な揺れが約3分間も続いたのだ。
トラックが横転しそうになるほど地面は左右に揺れ、コンクリートは盛り上がり、稲妻が走ったように亀裂が入った。その光景はまるで、「日本は沈没するのではないか」と思わされるほどであった。
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