「部長、その話、キツいっす」部下が辞める雑談2種 部下が未来に絶望していく、何気ない2つの話題

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その場では部下も「それはひどいっすね」と同調してくれましたが、その後、その部下が退職します。

理由を聞いたところ、「Nさんからこの会社相当やばいって聞いてから、なんか会社のイメージが悪くなって。で、転職サイトに登録したらいいところが見つかったので転職しようと思います」とのことでした。

このように、上司の会社に対する愚痴は部下の会社に対する信頼を失わせ、大きな不安を与えます。

それが退職のきっかけになることは少なくありません。

自分で自分の首を絞めないためにも

日々の忙しさや会社への愚痴は、部下との話のネタの定番といえるようなものです。

また、人間には、何か強い感情を味わうと他者に話して共感してもらいたくなる、「共感欲求」という非常に強い欲求があります。

この点、「残業や休日出勤をして大変な思いをした」「会社に対して怒りや不満を感じる」といったことは強い感情を伴うものであり、それゆえに共感欲求を満たそうと他者に話して共感を求めたくなるものです。

だからこそ、話のネタにしやすいのです。

しかし、そのコミュニケーションが部下の心理にネガティブな影響を与える可能性は高く、それが離職のきっかけとなることもあります。

そして、それが原因で部下が辞めた場合、その部下の仕事を代わりにやるのは上司本人だったりします。

それは自分で自分の首を絞めることになります。

そのため、こういった話は話のネタにしたくなりやすいものではありますが、部下に与える心理的影響も忘れないようにしていただければと思います。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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