ベンツの新型ハイブリッドは、他とは違う 日本初「ディーゼル+モーター」の強みとは?

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日本でディーゼル市場が急拡大し始めたのは、マツダがクリーンディーゼルエンジン「スカイアクティブ-D」を新型車に導入し始めた2012年ころから。2005年時点では、軽を含む新車販売のうちディーゼルの比率は0.04%しかなかった。が、2015年上半期には3%程度を占めるまでになった。

ディーゼルハイブリッドは高い走行性と低燃費性を兼ね備えている

ディーゼル車の強みは、高い走行性能と、軽油を使用することによる燃料費の安さだ。ストップ&ゴーを繰り返さければならない都市の道路ではディーゼルの良さは埋没するが、信号の少ない道を長距離走る場合は魅力が高まる。マツダの成功により日本でもディーゼル車需要があることが証明された。

輸入車では、ディーゼルであることがより意味を持つ。輸入ガソリン車の場合、燃料にはハイオク(現在の全国平均小売価格147円)を使用するのが一般的だ。しかし、ディーゼルは軽油(同115円)でよく、燃料費に大きな差がつく。

BMWなどもディーゼルに注力

メーカー側の事情も変化した。以前の欧州の緩い規制では、日本の厳しい排ガス規制をクリアするための調整に費用がかかり、日本で販売することが難しかった。しかし、2014年に欧州で排ガス規制が強化され、欧州で販売されている車種を日本の排ガス規制に適応しやすくなった。

現在はBMWやフォルクスワーゲンなど、有力な輸入車各社がディーゼルに力を入れ、競争が激化している。ただ、ベンツは日本の排ガス規制をクリアしたクリーンディーゼル車を2006年に日本で初めて投入した先駆者としての自負がある。

ディーゼルにハイブリッドを組み合わせた「S300h」を今回投入することは、ベンツがディーゼルで技術革新の先頭を走っていることをアピールする意味合いもあろう。新技術が日本のユーザーに受け入れられるか、注目だ。

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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