マスクの「X」本社が去ったサンフランシスコの今 ダウンタウンのオフィスはすでに空っぽの状態
「まるでツイッターのゾンビだ。多くの人が感じているのは、この悲惨な状況から(ツイッターの)鳥を救い出せばいいのに、ということだと思う」。ツイッターで12年間働き、マスクの買収後に解雇されたソフトウェアエンジニアのヤオ・ユエはそう言った。
パンデミック期間中の外出制限をめぐって市当局と衝突し、右派政治に一段とのめり込んでいるマスクは最近、サンフランシスコにむかついていることをほのめかした。7月、マスクは会社のガレージに閉じ込められているとして、ネットにこう投稿した。「ギャングが路上で麻薬をやっていて、そこを動こうとしないからだ!」
マスクは7月に、Xの本社をテキサス州オースティンに移転すると述べた。生徒が自認する性別を変更したら教師が親に通知することを学区に義務付けるのを禁止する法律をカリフォルニア州が可決した後のことだ。マスクはまた、市の域外で行われる取引に対して地元企業に課税するサンフランシスコの総収入税も非難した。
マスクは、総収入税は決済を処理する企業に不当なペナルティーを課していると述べた。決済の処理はマスクがXでやろうとしていることだ。「Xはサンフランシスコにとどまったまま決済サービスを開始することはできない。即刻失敗するからだ」とマスクは7月に投稿した。
Xの本社はすでに空っぽ同然
サンフランシスコ市長のロンドン・ブリードは、何カ月か前にマスクと一度会い、ショートメッセージをやりとりしたことがあると語った。市長はXをサンフランシスコに引き留めるために提案していることは何もないが、市内のすべての会社経営者と良好な関係を維持したいと述べた。
「誰にもこびを売るつもりはない。ただし、企業の成功を確保することが私の目標であることは明確にしてある」とブリードは言った。
サンフランシスコにあるXの本社のロビーはすでに空っぽで、建物内のほとんどの店舗は閉鎖されている。
同市のチーフエコノミスト、テッド・イーガンは、Xはすでに激しく縮小しているため、同社の撤退は市の財源にとってほとんど問題にならないだろうと述べた。
「彼らは多くの点で、もう消えている」
(執筆:Heather Knight記者、Kate Conger記者)
(C)2024 The New York Times
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