マスクの「X」本社が去ったサンフランシスコの今 ダウンタウンのオフィスはすでに空っぽの状態

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サンフランシスコのダウンタウンにあったXの本社は、今は空っぽ同然のようだ(写真:David Paul Morris/Bloomberg)

サンフランシスコとソーシャルメディア企業X(旧ツイッター)との長期にわたる関係はほぼ終わったが、市の当局者らはまったく悲嘆していない。

イーロン・マスクは今後数週間で、ダウンタウンの荒れた地区にあるXの本社を閉鎖し、残った従業員をサンフランシスコより南にあるパロアルトとサンノゼ(いずれもカリフォルニア州)のオフィスに移す予定だ。新本社はテキサス州に設置されることになっている。

「出ていってくれてせいせいした」

しかし、市の当局者らはXの撤退を嘆いてはいない。Xは、10年以上前にサンフランシスコが減税措置で誘致した頃のツイッターとは似ても似つかないものになっているからだ。

サンフランシスコは、市役所近くの廃れたミッドマーケット地域の新興テック・ハブを支えるために同社を誘致したが、新型コロナウイルスのパンデミック、およびマスクによる2022年のツイッター買収とそれに続く人員削減によって本社はゴーストタウンと化した。

「ほとんどのサンフランシスコ市民が抱いている見方を私も共有している。それは、せいせいした、というものだ」。市の監督委員会の一員として2012年にツイッターをミッドマーケットに誘致する減税措置を支持した市法務官のデビッド・チウは、そう言った。

かつてのツイッターは、スタートアップの中心地としてのサンフランシスコの地位を象徴する企業だった。ところが、マスクがサンフランシスコの柔軟性に欠ける税政策やリベラルな政治を投稿で公に批判する中、市がXの転出をまるで気にしない姿勢を見せていることは、移転を検討している企業に当局が以前ほど便宜を図ろうとしなくなったことを示している。

マスクとXはコメントの求めに応じなかった。

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