なぜ地方は新しい仕事を生み出せないのか 成功のカギは「IT」と「再生エネルギー」にあり
地方の人口減少が止まらない。総務省が2015年4月に公表した「人口推計(2014年10月時点)」によると、全国47都道府県のうち、40道府県の人口が、1年前に比べて減少した。県別で見ると、秋田県が前年比1.26%減で最も減少率が高く、それに青森県の1.08%減、高知県の0.96%減が続いている。
なぜ人口が減るのか。もちろん出生者数から死亡者数を差し引いた自然増減による部分もあるが、最近深刻化しているのは、県内に移り住む人から県外に移り住む人を差し引いた社会増減だ。仕事がない地方での生活に見切りをつけ、より雇用機会の多い大都市圏に引っ越す人が増えているという。
人口が減り続ける一方では、地方創生も何もあったものではない。移民政策は検討の余地があるが、そもそも仕事のない地方に移民を住まわせても、経済は立ち行かなくなる一方だ。大事なのは仕事を作ることだろう。
「クラウドソーシング」という新しい仕組み
地方の雇用機会を増やすというと、昔から公共事業が定番だが、そもそも人口減で使用者が減っているのに公民館を建てたり、ほとんど車が通らないところに道路を造ったりしても、一時的な雇用しか生まない。今、地方経済に求められているのは、持続的な雇用を生みだすシステムを作ることだ。
その第1のカギがITだ。インターネットの黎明期から、地方にサテライトオフィスを構えて仕事をするという働き方は提唱されてきたが、その動きがいよいよ本格化してきた。昨年11月には、地方創生担当の小泉進次郎政務官が、徳島県神山町に派遣された政府関係者や経済団体の代表者らとテレビ会議に臨み、テレワークの課題洗い出しを行っている。
政府だけでなく民間でも、地方と職を結びつける試みを積極的に展開している企業がある。日本最大級のクラウドソーシング企業、クラウドワークスだ。同社は、サービス開始からわずか3年あまりで10万社のクライアント、70万人の登録ユーザー数を持つまでに成長した。
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