ハーバード、イェールに学ぶラクラク投資術

あの名門大学は「超優良機関投資家」だった

ハーバード大やイェール大は、実は「超優良機関投資家」としての顔も持つ。2兆円超の資産を年10%以上で運用する「驚異の資産運用法」とは?(AP/アフロ)

金融市場にはさまざまな投資家が存在します。そのなかでも、いつも注目を集める影響力の大きな投資家としてメディアなどにもよく登場するのが、日本国内であれば、GPIF(Government Pension Investment Fund)であり、また国外に目を転じると、ソブリン・ウェルス・ファンド(略して“SWF”)やカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)などが注目を集める存在です。

日本のGPIFの資産規模は137兆円を誇り、またSWFも大きなもので100兆円を優に超える規模といわれています。また、カルパースは年金基金としては米国最大規模を誇っています。

しかしながら、資産運用業界で長く畏敬の念をもって知られる機関投資家といえば、多くの人が米国のエンダウメント(大学財団)を挙げるでしょう。

エンダウメントの中でも、アイビーリーグのハーバード大学とイェール大学は双璧と言える存在です。われわれが良く知る米国屈指の名門大学は、実は驚異の運用実績を誇る米国屈指の機関投資家でもあったのです。

運用規模2兆円超、大学の競争力維持に不可欠な財源

エンダウメントという言葉を初めて耳にされる方は多いかもしれません。エンダウメントのもともとの語源は「非営利団体の業務運営のために寄付金で設立された財団」を意味し、歴史をたどると紀元176年にローマの哲学者マルクス・アウレリウスが設立したものが発祥ともいわれています。金銭や不動産などの寄付で集められた資産の元本を大事に保全しながら運用し、運用収益を団体の活動支出に充てるものでした。

現代では、資産運用の世界においてエンダウメントといえば、米国の大学、なかでも、先に述べたように、ハーバードとイェールが双璧です。ともに2兆円を超える規模の資産を積極的に運用し、過去20年前後にわたり、年率平均10%を超えるリターンをたたき出して、現代の大学の競争力の源泉とされる財政力の飛躍的向上に大きく貢献しました。

世界中から有能な教授・研究者・学生を引き寄せることのできる魅力的な環境・待遇を用意するために、名門大学はその財源となるエンダウメントの強化拡充に注力しているのです。

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