ゲオとTSUTAYAに大差をつけた「本質的な違い」 地方でも、居抜きでも出せる業態があるか?
また、国外への出店も意欲的で、特にアメリカでは、アメリカ全土で高まるリユース業態への関心を背景に、39店舗を展開している。かつての主力業態だったレンタルはもはや全体売り上げの7%ほどにすぎない。完全にリユース業態がメインの店となったのだ。
一方で、ゲオ自体は、2025年3月期の決算を減益予想している。営業利益は28.6%減を見込み、やや後ろ向きな予想。とはいえ、このようにゲオが低めの決算予想を出すことは珍しくない。同じく減益予想をした2023年3月期の決算は、蓋を開けてみれば29.9%の増益、なんてこともあったからだ。いずれにしてもこの減益予想は覆される可能性も十分あり得る。
ゲオの業績を引っ張るセカストだが、その原動力はなんだろうか。実際に店舗を見ながら考えてみたい。
セカストは当初、都心と郊外の両方に満遍なく店舗がある状態。主にその2つで店舗の形態も違うだろうが、それぞれ、どんな店舗なのか。
都心のセカストに訪れてみると、デザイナーズブランドや、ブランド品などが多く取り揃えられている。セカストの公式ホームページには、セカスト高円寺店のレポートが掲載されている。
他にも多くの古着店が立ち並ぶ高円寺だけに、ここにはユーズド・ヴィンテージコーナーもあるという。なんでも1990年代以前のアメリカの古着が集められており、レア物のリーバイスやチャンピオン、コンバースなどがぎっしりと並ぶ。
一方、郊外店を訪れてみると、中心となるのは、より庶民派の服。ユニクロやGUなどのチェーン系の洋服が格安で売られている。セカストのすぐ近くにこうしたチェーン系のアパレルショップがあったりして、そこでぐるぐると洋服が循環しているさまが面白い。
「地方・郊外の出店」がどれくらいできているかが重要
思うに、セカストの原動力となっているのは、この郊外店なのではないかと思う。もっといえば、それが地方でも展開可能性のある業態だったことにあるのではないか。
実際、こうした郊外立地店は、セカストの躍進を後押しした。コロナ禍で都心の人混みがなくなり、人々が接触を避けていたときでも、車で行ける郊外店はそこまで大きな影響を受けなかったからだ。
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