中国で沸騰!取引所ブーム、規制や法律の未整備が課題
文化部(省)文化産業局の李小塁巡視員(日本の副局長に相当)は、文化部が北京市政府と連携を図って国家級知的生産財の取引所を設立すると先日、記者発表した。そのほかにも現在「中国北京文化産権(芸術品)交易所」が審査中で、年内にも正式にオープンする予定だといわれている。今年だけでも二十数カ所の取引所が誕生したもようだ。
価格急上昇を背景に金属関連の取引所も
6月3日には湖南文化産権交易所がオープンした。そこでは、「芸術品資産パッケージ」という金融商品もひそかに取り扱われている。それを見て、大連や厦門(アモイ)も文物(文化財)取引所を作ろうと水面下で動き出した。7月には江蘇省で初の文化産権交易所(文交所)を南京に作り、年内にスタートさせる予定だ。7月15日には、広東南方文化産権交易所のテープカットが行われた。
こういった文物・文化遺産関連の芸術品の取引所だけでなく、各地方自治体では価格の急上昇に誘われるように、金属関連を扱う取引所の設立が急増している。
4月21日、昆明市でバン・アジア有色(非鉄)金属交易所がスタート。6月には湖南省が、貴金属交易所を開設すると公表した。同時に重慶、成都もそれぞれ今年中に、レアメタル交易所を作る計画だ。また、无錫などでは「中国ステンレス交易所」が作られ、将来には銀交易所も設立するという。
重慶ではすでに、農村土地交易所、株式譲渡センター、農産畜産製品交易所、薬品交易所、航空河川運輸交易所、金融資産交易所など、さまざまな取引所が繁盛している。
トイレは先に入った人に使用権があるのと同じように、地方自治体や企業などはわれ先に、取引所の使用権を奪おうと設立に躍起だ。
そもそも、これだけたくさんの取引所が中国各地に作られる要因としては2点挙げられる。