大和証券グループ本社をBaa3に格下げ、見通しはネガティブ《ムーディーズの業界分析》

大和証券グループ本社をBaa3に格下げ、見通しはネガティブ《ムーディーズの業界分析》

金融機関グループ
VP-シニアクレジットオフィサー 花立 真紀

ムーディーズは、11月9日、大和証券グループ本社(以下、大和)のシニア無担保債務格付けをBaa2からBaa3に、大和証券の発行体格付けをBaa1からBaa2に、大和証券キャピタル・マーケッツの長期格付けをBaa1からBaa2に、それぞれ格下げしたことを公表した。格付けの見通しはネガティブ。一方、大和証券および大和証券キャピタル・マーケッツの短期格付けPrime-2は確認された。今回の格付けアクションは、2011年8月2日に開始した格下げ方向での見直しの結論である。

格付け理由

今回の格付けアクションは、現状の厳しい営業環境や大和のコスト管理にかかる取り組みを勘案すると、同社の収益は引き続き下方圧力にさらされており、収益回復と最終利益の安定化には同社の想定以上に時間を要する可能性がある、というムーディーズの見方を反映している。

大和は今後3年間にわたりさまざまなコスト削減に向けた取り組みを実行する予定であるが、グローバル経済の不確実性が高まっていることに鑑みると、資本市場が回復しないかぎり、同社のトップライン収益は損益分岐点に達する水準を下回る可能性がある、とムーディーズは懸念している。

大和は2011年度(12年3月期)第2四半期(7~9月期)に3四半期連続となる連結純損失を計上し、収益性の回復に苦慮している。第2四半期の損失は、ホールセール業務を行う子会社である大和証券キャピタル・マーケッツが、6四半期連続となる純損失(278億円)を計上したことが主因である。

一方、リテール業務を行う子会社である大和証券の業績は比較的堅調に推移しており、11年度第2四半期には30億円の純利益を計上した。しかしながら、その利益水準はホールセール業務の収益低迷を埋め合わせるには不十分である。

加えて、収支回復への障害として、大和証券キャピタル・マーケッツの営業コストの高さが挙げられる。過去数年間、大和は成長戦略の一環として、海外業務を積極的に拡大してきた(特にアジア方面)。しかし、業務拡大に伴うコストが収益を大きく上回り、利益を減少させる結果となっている。国内外の資本市場の減速に見られるとおり、現状の営業環境は厳しく、大和にとって収益回復は容易ではない、とムーディーズは考えている。

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