予定調和の24時間TVにドラマを生む方法 本物の「チャリティRUN」を教えます

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日本テレビ系番組『24時間テレビ 愛は地球を救う』、今年の100kmランナーはDAIGOがチャレンジする予定(写真:digi009 / PIXTA)

今年はDAIGOがチャレンジするらしい。24時間で100kmを走る(いや、ほぼ歩く)という、スポーツ的にはほとんど価値のない“マラソンショー”に。

真夏に24時間も走り続けることはものすごく大変なことだけど、24時間で100kmを走る(歩く)ことは、それほど難しいことではない。DAIGOからすれば、「走るのは嫌だけど、ギャラはハンパないし、注目度も高い。頑張って完走しまういっしゅ」というのが本音ではないだろうか。

チャリティ番組なのにギャラが発生!?

毎夏恒例の日本テレビ系番組『24時間テレビ 愛は地球を救う』(以下、24時間テレビ)。その出演者にギャラが発生しているのは有名な話だ。

番組のCM収入合計は20億円を超えるという(年によって違うが)。そのうち出演者のギャラと制作費(4億円ほど)を除いて、赤字にならない範囲で寄付にまわしている。ちなみにアメリカやフランスのチャリティ番組に出演するタレントは、世界的に有名なアーティストでも全員ノーギャラだ。

『24時間テレビ』は一昨年、平均視聴率で18.1%という高い数字を記録して、合計15億4522万円という寄付金を集めた。

昨年はTOKIOのリーダー、城島茂が101kmマラソンに挑戦したが、皆さんの記憶にどれぐらい残っているだろうか。言われてみて、「あ、そうだった」と思い出したという人も少なくないだろう。毎年同じような展開で、看板企画なのにインパクトがない。『水戸黄門』的に、終盤の特定シーンだけを見ればなんとなく感動した。そういうクライマックス。チャリティランナーが時間内でゴールできるかどうかの違いはあるが、オチはわかっている。

城島がゴールした直後の午後8時50分には、41.9%の瞬間最高視聴率を獲得。一昨年の瞬間最高39.3%を上回った。しかし、平均視聴率は17.3%と前年度より0.8%落として、寄付金も9億3695万円にダウンした。

確認しておくが、24時間テレビは「チャリティ番組」だ。そして、番組の看板企画の出演者にも高額のギャラが支払われている。そんな部分に視聴者が違和感を感じるようになったから、寄付金を集めるのが難しくなった面もあるかもしれない。

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