狙われる台湾の小型株市場、私腹を肥やす投資信託関係者

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今回、処分の対象になるとみられる著名なファンドマネジャー5~6人は、すでに同委員会から事情聴取を受けており、うち3人は会社を退職した。その中の1人は、台北市にある3億台湾ドルを超す価格の高級マンションに住んでいると伝えられている。また、そのほか多くのファンドマネジャーも、非常に裕福な生活をしているとも伝えられている。

今回の事件と同様の手法は、2002年前後に多くの小型電子企業が櫃台売買市場に上場した際にも見られた。資本金が少ないため容易に株価操作の対象となった。最も多かったケースは、ファンドマネジャーが操作対象の会社の経営陣と組み、ファンドによる買いを利用して株価を吊り上げ、同時に会社側は好材料を次々に発表。株価が上昇したところで大株主が持ち株を売却するという手法だ。当時、こうした行為に協力するファンドマネジャーが要求したコミッションは、取引額の7~10%にも上ったという。

こうした株価操作の手法は、時代とともに巧妙になっている。今回の盈正豫順の場合、業績に見るべきものがなかったため、将来性を美化する情報を流し続け、報告書まででっち上げることで、市場からの信頼を引き出したのだ。今後、政府の管轄機関がより厳しく監督し、かつ厳しい処分で臨まなければ、同様の事件はなくならないだろう。

世界的な株価下落の中、台湾の投資家がファンドマネジャーの倫理リスクまで抱え込まなければならないのでは、たまったものではない。

(台湾『今周刊』No.773/劉俞青、陳兆芬 =週刊東洋経済2011年11月5日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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