マンション秋の陣! 売れ筋キーワードは「値頃感」 熱気増す首都圏マーケット
野村不動産の山本成幸・上席執行役員も「同業者からもエールをちょうだいしている。マーケット全体を盛り上げていきたい」と意気込む。
当初は今春の大型連休に売り出す予定だったが、震災を受けて販売時期を先延ばしにした。その間、購入検討者からのアンケートを基に「盛り込めるだけの地震対策を追加で盛り込んだ」(山本上席執行役員)。
具体的には、非常用発電機の稼働時間を当初の5・6時間から24時間へと4倍まで増やした。配管などのインフラを守るため、地震による地盤の変形を抑える工事も新たに施した。さらに、各住戸の壁面には家具の転倒を防止するための固定用下地まで設置する、といった具合だ。
そのかいあってか、9月10日に予約制でモデルルームをオープンしてから1カ月で1000組が来場。このうちの約150組が実際に購入に向けた手続きを進めており、現時点での手応えは「かなり好調」(岩切真吾・住宅営業一部部長)。当初は江東区など地元からの来場者が半数近かったが、最近では来場者の居住地が徐々に広域化しているという。
中央区晴海では、三菱地所レジデンスなどが「ザ・パークハウス晴海タワーズ」を建設中だ。
この物件の売りは、国内の構造物としては最大級の免震装置を採用している点。抜群の耐震性を備えながら、東京都内の免震マンションで初めて、長期優良住宅の認定も取得した。加えて、将来的な資産性にも配慮し、外観デザインに世界的な建築家のリチャード・マイヤー氏を起用。「当社の社史にも残る、ザ・パークハウスブランドのフラッグシップ」(三菱地所レジデンスの亀田氏)と、同物件にかける期待度は高い。
来年初頭の現地モデルルーム設置に先駆けて、今年9月に簡易の案内センターを東京・丸の内に開設したところ、週60組が来場。こちらも、当初は地元客が中心だったが、しだいに丸の内周辺に勤務するサラリーマンの姿が目立ち始めたという。