JR東・東海・西「新幹線アイス」でコラボ商品の狙い 開発現場に潜入、会社の垣根越え25年販売目標
各プレゼン後は、質疑応答が行われた。フルーツフレーバーについては、「レモン、桃といったさわやかさと新幹線アイスクリームが持つ濃厚さの両立はどうするのか」と質問が挙がり、それに対してパーサーたちは「ずんだなどの濃厚さに重きを置いた商品と異なる、さっぱり系のニーズもあるのでは」と回答した。
また、「関東圏の人からすると桃、マスカットと聞いて岡山を産地として想像するか」とご当地感についても質問が挙がったが、「確かに関東に住んでいると山梨を想像することもあるが、岡山も思い浮かぶ」と率直な感覚で答える。そんなやりとりに、「商品開発にはストーリーが大切だが各プレゼンにはストーリーがしっかりあり、感動した」とJR-PLUS杉本氏が本会議の感覚を話す。「私たちもストーリーを大切にしてきたので、伝わったのがうれしかった」と7人も少し安堵の表情を見せた。
最後に会場内全員で推したいフレーバーとともに感想を記入して、次回の会議に向けてアイデアが実現可能か、製造元のスジャータめいらくとの調整が行われる。そして試作試食を経て、来年には3社共同の新フレーバーアイスクリームの販売を目指す。
「さらに多くの鉄道会社とコラボしたい」
緊張のプレゼンを終えた7人のパーサー・アテンダントについて、シンカンセンスゴイカタイアイスについて尋ねてみると、みな、いち商品としての感覚以上のものがあるようで、「必需品」「列車旅のパートナー」と思いを語る。また、ある参加者が「その硬さからふだんは、少し時間を置いてからお召し上がりくださいとお声がけしますが、スジャータめいらく以外のアイスの中には製品上そこまで硬くないものもあり、その際はお早めにお召し上がりくださいと逆のお声がけをします」と話すと、会場内が笑い声に包まれた。
東海道・山陽新幹線では新形式での販売様式となったが、「これまでは列車の広範囲を回らなくてはいけず、(ワゴンの)降車駅間際でかなり焦ることもあったが、今ではゆとりが生まれ、乗務しやすいだけでなく、その分お客さまへのサービスに時間をかけることができるようになった」と話す。また、「アイスというつながりで、新幹線に限らず、さらに多くの鉄道会社とコラボしていければ」という夢も広がっている。
様々な思いを乗せて、日本中を走り続けるシンカンセンスゴイカタイアイス。3社共同での新フレーバープロジェクトの今後に注目したい。
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