JR東・東海・西「新幹線アイス」でコラボ商品の狙い 開発現場に潜入、会社の垣根越え25年販売目標

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いよいよプレゼンの開始だ。最初はJ-Creation東京列車営業支店の千々岩清香さんと、盛岡列車営業支店の南舘あかりさんの2人。新幹線のほか、千々岩さんはツアー専用臨時列車として活躍する寝台特急「カシオペア」にも乗務し、南舘さんは同社新幹線の最上位クラス「グランクラス」にも乗務する。2人は全社員に向けたアンケートから、西日本にゆかりのあるものをピックアップし、提案を行った。中には「列車酔いしにくいさっぱりとしたフレーバーとして、瀬戸内レモンなどもよいのでは」とアイスクリームの販売最前線にいるからこそ感じる視点もあり、印象的だ。

そのほか、自ら販売することを鑑み、「アテンダントのおすすめのしやすさ」「インバウンドへの訴求力」なども検討し、フルーツ大国岡山に注目した桃やシャインマスカットなどにも注目。さらにJR西日本と共同運行を行う北陸新幹線にも乗務する経験から、北陸を意識した加賀ほうじ茶や五郎島金時などもピックアップした。

プレゼンは北から南へ行われ、トップバッターはJ-Creationの南舘あかりさん(左)と千々岩清香さん(右)。JR西日本エリアにも直通する、北陸新幹線に乗務している支店の経験も元にしたフレーバー案も発表(写真:村上悠太)

地域性だけでなく話題性も意識

続いては、JR-PLUS東京列車営業支店の髙橋怜奈さん。「自身たちが味の選定から携われることにやりがいと責任感を感じます」と意気込みを口にする。東京、大阪2拠点のアイデアを1人でプレゼンした。東京列車営業支店ではJ-Creation同様に岡山の桃を提案。しかし、シンプルに果汁を使用するのではなく、ピューレを使用することで、果実感と濃厚さを狙う。桃フレーバーはかつてFSNも発売していたが、「濃厚さで差別化したい」と力説。一方、大阪列車営業支店では同じく岡山名物でも「きびだんご」に注目。ほかにももみじ饅頭など、地域性を意識した斬新なアイデアが光った。

最後に登壇したのはFSNの角屋早紀さん、小嶋笑美子さん、松田泉美さん、寺沢春奈さん。それぞれ大阪・岡山・広島と今回最遠となる博多の拠点に所属する。まず提案されたのは昨年、阪神タイガースの優勝とともに話題となった、「パインアメ」とのコラボ。「黄色つながりでパッケージに“ドクターイエロー”を描き、さらなる話題性を狙いたい」とプレゼンした。

続いて、岡山のマスカット・オブ・アレキサンドリアの果汁と、果粒を使用したフルーツフレーバーや、グリーン車で販売する際によりプレミアム感を演出できる丹波大納言小豆、福岡県産あまおうを使ったフレーバーなどをプレゼンした。西日本エリアに拠点を置く会社とあって、具体的な銘柄をピックアップし、その活用方法も細部までこだわった。「N700系の形をしたチョコを載せてアクセントにするだけでなく、SNS映えを狙う。まれにドクターイエローを交ぜることでエンターテインメント性を出したい」といった多角的なコンセプトもインパクトがある。

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