エンジニア起業家に学ぶ「挑戦する勇気」出す方法 「自信が無いのは自分のせいだけじゃない」

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咸 多栄 だむは
(写真:赤松洋太)

――2024年4月にシードラウンドで8550万円の資金調達を実施したそうですが、裏では相当な苦労があったのでしょうか。

そうですね。資金調達できないと事業に大きく関わるというプレッシャーの下、大勢の投資家にピッチをしました。

VCからの出資は100社面接しても1~2社からしか受けられないような世界ですし、VC業界の9割は男性です。マイノリティの方が課題を持ちやすいジェンダーギャップ解消を掲げる私たちの事業は、なかなか刺さりにくい状況ではありました。

ただ、2〜3カ月の間に数十社へピッチをしていく中で、ジェンダーギャップを大きな社会課題かつインパクトの大きい領域として認識している投資家たちに出会え、無事に資金調達を終えることができました。

毎日のようにピッチをする生活は大変でしたが、その間に私が心掛けていたのは、メンタルブレイクしないようにとにかく「早く寝る」こと(笑)。夜8時には布団に入って、朝の9時や10時までたっぷり寝ていました。

メンタルブレイクしやすい時期だと分かっていたからこそ、そうならないようにメンタルコントロールするために「ローな生活」を送ろうと決めたんです。

失敗から始まるのは当たり前

――成功するかどうか分からない状況で、「思い切ってチャレンジしよう」という決断をするには勇気が必要だったのでは?

「とりあえずやってみる」ことは、結構得意なんです。きっとそれは、幼い頃から大小さまざまな失敗を繰り返してきて、チャレンジへのハードルが下がっているからですね。

私は中学3年生の時にちょっとグレてしまって、高校受験は全部落ちました。通信制の高校を出て大学に行きましたが、大学での成績は最下位からのスタート。おまけにコロナ禍の転職活動では100社ほど書類で落ちた経験もあります。

こんな私にとって、何かをするときに失敗から始まるのは当たり前のこと。それと同時に「絶対に不可能なことはない」ということも知っているんです。

例えば、大学時代のこと。私は交換留学へどうしても行きたかったのですが、枠は一人分しかなくて。成績最下位の私が選ばれる見込みはほとんどなかったと思いますが、それでも申し込み、面接で熱意を伝えた結果、なんとか留学生の枠を増やしてもらうことができました。

挑戦し続ければ、ルールの方が変わることもある。経験上それを知っているから、起業や資金調達のような厳しい経験も乗り越えることができたんだと思います。

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