業績絶好調のトヨタ「超円安から円高」でどうなる 1ドル145円は想定内。中国と信頼回復が課題

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トヨタグループでは2021年以降、商用車の日野自動車や小型車が主力のダイハツ工業、トヨタの祖業である豊田自動織機といったトヨタグループ各社で認証不正が相次いだ。

トヨタ自身も今年6月に計7車種で、虚偽データの提出や安全試験における試験車両の不正加工などが発覚。国土交通省の立ち入り検査の結果、7月31日には新たにミニバン「ノア」「ヴォクシー」やSUV「RAV4」など計7車種で不正が判明した。

事態を重く見た国土交通省は同日、トヨタの佐藤恒治社長に再発防止を求める是正命令を手渡した。是正命令は、日野、ダイハツ、豊田織機につづいて4例目ですべてトヨタグループとなる。

トヨタは7月5日に、自社の調査終了時点で最初に不正が発覚した7車種以外で「不正はなかった」としていただけに、複数のトヨタ系部品メーカー幹部からは「また出るとは衝撃だった」と驚きの声が上がる。

自社調査で発見できなかった不正を国交省に指摘されたことについて、佐藤社長は「前提条件や結果の理解に対する考え方が甘かった」との認識を示した(編集部撮影)

佐藤社長は、「お客さまや販売店の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけし、心からおわびする」と謝罪。「現場と経営の両面に課題がある」と話し、再発防止策の策定と真因究明に取り組む考えを示した。

業績影響は軽微だが…

山本正裕経理本部長は不正の今期業績への影響について「軽微であると考えている」と話す。ただ、今回新たに不正が発覚した現行生産車4車種のうち3車種は欧州で基準適合を確認する必要がある。不正への対応が長引けば、トヨタブランドそのものの価値低下を招きかねない。

トヨタは今後の収益柱として、整備や金融、中古車など販売後のバリューチェーン売り上げを重視している。電池の調達コストが重いEVは販売価格が高くなりやすいうえに採算が悪く、ガソリン車に比べて利益が得にくい。このため、新車販売以外での収益を稼がなければならないわけだ。

整備や中古車といった事業はトヨタ車の安全性や高品質に裏打ちされたブランド力が競争力の源泉となってきた。トヨタは不正の再発防止策を1カ月以内に公表する。納得のいく対応策を示し、着実に実行していくことでブランドの信頼を取り戻す必要がある。

横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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