女性皇族初の博士・彬子さま「英国の経験と現在」 彬子女王著『赤と青のガウン』インタビュー

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──大英博物館のコレクションを用いた研究でした。英国で日本美術を研究する意義は何でしょうか。

「在外の日本美術コレクションの研究をしています」と言うと、「明治の頃に海外に流出したものがたくさんあるんですよね」と返されることが多いのですが、大英博物館の収蔵品は当時日本に来られた方がきちんと買い求めていったものなのですよね。

廃仏毀釈や関東大震災、戦争などにより、日本では捨てられてしまったり焼けてしまったりしたかもしれないものが、日本美術に関心を持った外国人によって大事に持ち帰られ、本国で紹介された。その後、大英博物館に収められたことによって、今も見ることができるのだと伝えたいという思いで論文を書きました。

私は文学部史学科出身ということもあってか、作品そのものより作品にまつわる物語や蒐集した人に興味があります。作品調査をしていても、作品に添えられている受領証や書き付けを見てしまう。

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