リスキリングを進めていくうえで、この3つに共通する「セット」という言葉はとても重要な意味合いを持ちます。
なぜかというと、新しい成長分野の仕事に就くというのは、一時的なやる気(マインド)、単体のスキル、特定の学習(ツール)だけで成果が出るようなプロジェクトではないからです。
マインドは「心」や「精神」という意味で、人の思考、感情、意識などを指します。
一方で、マインドセットは「考え方」や「心構え」という意味で、物事に対するアプローチや態度を形づくる信念や前提などを指します。
この2つの違いをわかりやすく表す例として、ある問題に対する対応を考えるとき、「その瞬間感じていること」はマインド、一方、「その問題をどう捉えるか」「どのような視点でアプローチするか」といった中長期的に示すものがマインドセットです。
例えば、困難に直面したとき、一時的に落ち込む状態はマインドですが、「困難を乗り越えるためにどうしたらよいか」といった姿勢は、マインドセットになります。
スキルは1つでなく、複数持つ
スキルは、「特定の活動を行うために必要な能力や技術」を指します。これは1つひとつの具体的な技能を意味します。
スキルセットは、「複数のスキルが組み合わさった一連の能力や技術」を意味します。通常、特定の職業や活動を効果的に行うために必要な、幅広いスキルの集まりを指します。
例えば、コミュニケーションというスキルがありますが、プロジェクトマネージャーとして成功するためには、コミュニケーション以外にも組織運営、リーダーシップなどの複数のスキルが揃っていることが必要です。
ツールとは、「特定の作業や任務を遂行するために使用される具体的な道具や装置」を指します。1つのツールは、1つの機能や用途に特化していることが多いです。
一方、ツールセットは、「複数のツールが一組になったもの」で、広範囲の作業や複数の関連任務を効率的に行うために使われます。
例えば、家具を組み立てるときに「ドライバー」という単一のツールが役立ちますが、家具の組み立てから修理までを広くカバーするためには、ドライバー、ハンマー、水平器、メジャーなどを含むツールセットが必要となるわけです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら