遊びから学びを生み出す、昭島市立光華小「プレーパーク」作った学校の大変化 教育目標を具現化!子どもの主体性は育つか

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プレーパークの看板は眞砂野氏による手書き

オープンして約8カ月経った現在は、教職員や地域の保護者に加え高学年の児童が低学年の児童を見守ったりしながら、朝の始業前の時間や休み時間、昼休み、放課後の時間帯に、同校の児童に開放している。保護者から定期的にボランティアを募り、長時間にわたって思い切り遊べる期間も設けており、その際には火おこしや焚き火も行い、他校児童や未就学児の保護者にも開放している。

秋には火おこしや、たき火も行った。たき火でマシュマロを焼いている
(写真:眞砂野氏提供)

「光華小プレーパーク」は、地域にも開放している。

「近隣の保育園の散歩コースとして園児が遊びにきたり、障害者の団体が、プレーパークは利用しないまでも校庭に訪れたりしています。他地区の歴史あるプレーパークさんと比べるとまだまだ道半ばですが、本校の児童にとっては『自分たちの場所』となりつつありますし、地域における『ボーダーレスな場所』になりつつあることを実感しています」

学校にプレーパークがあることで広がる可能性

「光華小プレーパーク」は、「“学校にある”プレーパーク」としての可能性も広がっている。

「焚き火ができる場所もあるため、生活科として、焚き火の火でさつまいもやマシュマロを焼いたり、図工の授業で土山や砂場を使って造形遊びをしたり、幼保連携の特別活動として、プレーパークで低学年の児童と幼稚園・保育園児が遊んだりなど、さまざまな授業で活用されています。

また、高学年では、プロジェクト型学習で、約5カ月かけて校庭の一部を活用してドイツのミュンヘンを起源とする日本版『子どものまち』を作っているのですが、街の一角にプレーパークを取り入れてプロジェクトを進めています。プレーパークができたことで、遊びと学びの掛け算が確実に広がりつつあります」

学校全体に広がる子どもたちの「やってみたい!」

さらに、「学校教育目標の『まず、やってみよう!』に呼応する形でプレーパークがオープンしたことで、子どもたちの『やってみたい!』が学校全体に加速度的に生まれ、形にしていく機会が増えてきています」という眞砂野氏。

「子どもたちが、しょっちゅう校長室に直談判にくるんですよ。昨年度の6年生は、『卒業前に、学校で宿泊体験がしたいです』と言ってきました。タブレットを持参して、たくさんのアイディアを出してきましたね。担任の先生とも連携をとりながら都合20回くらいの打ち合わせを重ね、3月に1泊2日の体育館宿泊体験を実現しました。当日の夜は予想以上に寒かったのですが、東日本大震災のときに近くの学校の体育館に避難した人たちの思いを想像したりなど、貴重な体験ができたと思います」

3年生の児童が「プールを使ってメダカを飼ってみたいです」と相談にきたり、6年生の児童が、学校を会場に保護者がワークショップなどを行うイベントを開催するにあたり「私たちにもワークショップを開かせてほしいです」と提案にきたりなど、校長室はにぎやかだ。

「子どもたちの『やってみたい』はいつでもウェルカム。『どんどん来なさい』と呼びかけています」

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