遊びから学びを生み出す、昭島市立光華小「プレーパーク」作った学校の大変化 教育目標を具現化!子どもの主体性は育つか

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「2030年、2040年と日本の未来を見据えたとき、子ども時代に骨太でたくましい主体性を育て、社会に出てからいつでもどこでも誰とでも自分の立ち位置が築けるような大人になってほしいと。チョーク&トークのような既存の学習も大切ですが、教員が働きかけて何かを引き出すのではなく、子どもたちが『やってみたい』と思ったことが存分にできる学校、『やってみたい』を支える教職員集団でありたいと考えました」

眞砂野氏は続ける。

「何回失敗してもOK、ちょっとの喧嘩もOK。私たち大人の役割は、事故などの危険性を排除しながら子どもたちの『やりたい』を見守り、後押しすることです。それを、子どもたち、教職員、保護者の方々に折に触れて伝えたり、対話の機会を設けたりしているうちに、『自分たちの学校は自分たちで作っていくんだ』という“空気感”のようなものが少しずつ醸成できたように思います」

PTAが主催した映画『夢みる小学校』の自主上映会に全教員で参加したり、「光華小の10年後について」をテーマに教員と保護者がごちゃまぜになって語り合ったりしたこともあったという。

学校としての方向性に人的、財源的リソースがマッチ

体育科の運動遊びが専門の眞砂野氏。「長年指導を重ねる中で、『教科としての体育』以外にも、『子どもたちが自由に遊びながら学ぶ体育』の世界があるのではないかと思っていました」という。

以前からプレーパークの存在を知り、その意義が、学校教育目標に通じる「子どもたちのやってみたいを大切にする」ということ、同校にプレーパークに知見がある教員が2名いたことから、校内にプレーパークを作るプロジェクトが具体性を帯びてきた。2023年5月頃のことだ。

「学校の予算内での実現は困難だったのですが、保護者の方、地域の方の協力をあおぎ、東京都が実施している『子供の「遊び」推進プロジェクト』に応募して採択いただき、プロジェクトをスタートさせることができました。

本校は、校内研究の主題に『光華遊学』を掲げています。遊学とは、遊ぶ学問。遊びと学びの掛け算で、子どもたちの主体性を最大限に生かしていこうという考えです。『光華遊学』の実現には、学校として目指す方向性に加え、人的リソースと財源的リソースのマッチングが不可欠でした。それらの条件が運命的に整ったことで、『光華遊学』を体現するプレーパークの建設が実現しました」

自分たちの場所になりつつある「プレーパーク」

2023年の夏休み明け。プレーパークオープンに向け、安全面への配慮を考え、まずは試験的にモンキーブリッジを作った。教員たちの見守りのもと、休み時間を利用して全クラスの児童に開放し体験させたところ、「これは大丈夫。いける!と思いました」という眞砂野氏。

「全クラスの子どもたちの様子を見守ったのですが、子どもたちは、『ちょっとこわい』と思ったら力をゆるめてみるなど、体を動かしながら自分の身体能力に合った遊び方を自ら見つけていくんです。子どもたちがやってみたいと思ったことを具現化できる場所になると確信しました」

2023年11月、「光華小プレーパーク」がグランドオープン。プレーパークの看板は眞砂野氏による手書きで、そこには「光華遊学」の思いがこめられている。

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