複雑な「体操競技の判定」、審判支えるAIの凄み 富士通が国際体操連盟と採点システムを開発

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そこで富士通では、人の多様な動きを高精度にデジタル化する「Human Motion Analytics(以下、HMA)」を開発。これまでのディープラーニングによる画像解析で課題だった姿勢認識のブレを大幅に低減できる独自補正アルゴリズムのほか、AIの学習データを人工的に大量に生成する技術の実現に成功した。

賢いAIをつくるには、どんな情報でいかに学習させるかがポイントだ。開発当初は、実際に選手が演技している画像で学習していたが、途中から人工的に生成した演技画像も含めて正しい骨格情報をAIに覚えさせることで、開発期間を短縮したという。

また、人の動きを4次元(3次元+時系列)で捉え、「技」を瞬間ではなく「一連の動き」として認識する技術も開発。これで複雑かつ高速な体操競技の動きであっても、精緻に捉えた分析ができるようになり、高精度な解析が可能となった。JSSの開発時点で、体操の技は約1500ほどあったが(富士通調べ)、それぞれの技を動作の組み合わせとしてAIに認識させることで開発ボリュームを抑える工夫も行っている。

ヒューマンモーションアナリティクス

ブレークスルーのきっかけ

富士通は、テクノロジーカンパニーであるがゆえに、会社の中に埋没している技術がたくさんあるという。これをいかに有効に使うかも重要で、埋もれた技術を組み合わせることからブレークスルーへのきっかけが生まれたと語る。

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