ヴィレヴァン300店巡って見えた「人材育成の失敗」 POPを書けない、サブカルに疎い店員増加の背景
そんな同チェーンだが、全国にはヴィレヴァンを愛し復活してほしいと願う人々がいる。Xで活動する、「ヴィレヴァン全店まわるひと」さん(ヴィレ全さん)も、そんな一人だ。
そのアカウント名通り、日本全国にあるヴィレッジヴァンガードを一軒ずつめぐりながら、各店の様子をXで発信。店舗では名刺を渡し、時に酒を飲み交わしながら、現役従業員からも多くの話を聞いてきたという。
今回は、そんなヴィレ全さんから見た、ヴィレヴァンの現在の姿と、リサーチを重ねて気付いた“本質的な問題”についてお伺いした。
「小さなアニメイト」化するヴィレヴァン
ヴィレ全さんは、3年ほど前から、この名前での活動を始めた。
「ヴィレヴァンは現在、300店舗ちょいあるのですが、そのほぼすべてに行きました。足を運べてないのはおそらく、北海道の帯広店、釧路店、そして千葉県の銚子店の3店舗ですね。もともと、仕事が全国を飛び回る仕事なのですが、それに合わせて店舗巡りもしています」(ヴィレ全さん)
そんなヴィレ全さんは、現在のヴィレヴァン店舗をどう見るか。
「すべての店舗に通じる話として、商品ラインナップが“普通”になってきていると感じます。
ヴィレヴァンは店舗パターンが4つあるんですが、それぞれで様子が違います。東京にあるような路面店だと、訪れる人の年齢層はかなり高い。一方、イオンモールなどに入っている店舗は、家族連れが多くて、子供も多い。ただ、こうした店舗は、YouTuberやVTuberのグッズが多くて、ちょっとしたアニメイトみたいな感じなんです」(ヴィレ全さん)
ここまでは、ネット上でも多くの人が指摘していること。だが、商品ラインナップ以上に、ヴィレ全さんが憂慮しているのは、その「働き手」の問題だ。
「現在のアルバイト従業員の少なくない人が、『ヴィレヴァンらしさ』を共有できていない現状があるようです。
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