交通事業者のランニング費用は、ユーザーが支払った金額の決算手数料(2.0%程度)だ。そのほか、自治体向けにデジタル地域振興券の発券もできる。
今後については「みきゃんアプリ」プラットフォームを活用して、香川県、徳島県、高知県それぞれでアプリを立ち上げ、「四国エリア全体での交流人口の増加と地域の活性化を目指す」とのことだ。
「みきゃんアプリ」を通じて得られた移動や消費に関する各種データが解析されることで、交通政策の立案や検証の一助になると期待される。
課題も多いが期待は大きい
県としては、世界各地で活用されている公共交通に関するオープンスタンダードである、ゼネラル・トランジット・フィード・スペシフィケーション(GTFS)の活用も検討しているという。
GTFSによって、例えばダイヤ改正やコミュニティバスのルート変更などによる効果をシミュレーションできるため、大きなサポートになることが期待される。
一方で、県内の市町では、職員ひとりあたりの業務量や業務の幅に違いがあり、GTFSや自動運転・ライドシェアなどの新しい試みに対応する、人的・時間的な余裕がない場合もある。そのため、県としては各市町の職務の実情を踏まえたうえで、地域公共交通に関する情報提供を丁寧に行っていくという。
結果的に、市町、東予・中予・南予の3地区、愛媛県全域、そして四国エリア全体での地域公共交通のリ・デザインが進むことにつながるのだろう。とはいえ、根っこでは大きな課題がある。
地域公共交通を、社会福祉の観点でセーフティネットとして捉えるのか。また、県および市町での地域公共交通に対する財政負担の増加に、どう対処していくのか。愛媛県の地域公共交通に対する多様なチャレンジが、全国47都道府県の中でよきベンチマークとなることを期待したい。
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