そうした中、愛媛県の試みは「県側の心がこもった、最新の社会実態をしっかり把握した地に足のついた政策」という印象がある。
それは県が作る資料を見ても明らかで、さまざまな観点で行われたアンケート調査の内容が充実しているだけでなく、「みきゃん」効果も相まって多くの世代にとってわかりやすい。
今回、四国各地をレンタカーで巡りながら、地域公共交通の解決策のあるべき姿について考えてみた。
愛媛県では、県の企画振興部 政策企画局 地域政策課 交通政策室と意見交換を行い、県の地域公共交通に向けた思いを聞いた。
県内を3つ地域に分けて情報交換
四国各地を巡ると、山間部が多いことを改めて感じた。海に面した平野部では、香川県は高松市、徳島県は徳島市、高知県は高知市と、それぞれ人口が多い都市が限定されている。
愛媛県は、県庁所在地である松山市にくわえ、産業地域である今治市、新居浜市なども人口が比較的多い。その反面、宇和島市など県の南部では、人口減少が進んでいる。
愛媛県では現在、県内を東部の5市町「東予(とうよ)」、中央部の6市町「中予(ちゅうよ)」、そして南部の9市町を「南予(なんよ)」の3地域に分けて各種政策を進めており、それぞれ西条市、松山市、宇和島市にある県の部局が中心となって、各市町と定常的な情報交換を行う体制を敷く。
さらに、県が主催する「地域公共交通網再編協議会(親会議)」も実施して、県内の状況を基礎自治体全体が把握できる仕組みとしている。
直近では、南予でのJR予土(よど)線を中心とした宇和島バスとのモーダルミックスについて、沿線の基礎自治体と改善策を検討中だ。県の事業として成功事例を作り、そのほかの地域の地域公共交通リ・デザインに応用する考えだ。
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