山田さんが話したのはおおむね次のようなことだった。
「村上さんに株式公開買い付けをすると言われた。『TOBされたくなかったら、こういう株主還元をしろ、その前に丸木の了解を取ってこい』と」
山田さんは村上さんの言いなりだった。「翌4日までに答えないとTOBされる」ので翌日までに答えがほしいと言うが、そんなのは今日明日答えるって無理。考える時間がいる。
その日の夕刻、われわれは、ダイドーが株主の議決権行使に関しいろんな干渉をした件についてまずは謝罪するようにメールを送った。株主総会の前、ダイドーは個人株主に電話をかけて議決権行使を変えさせようとした。村上さんに対しても株主提案に賛成するなら新経営陣には会わせないと言った。
メールには、それらを公表して謝罪してほしい、株主還元の案についてはその後に答えると書いた。われわれの了解がないと(還元を)やらないって言っていた。なのでやらないと思ってたが、翌日に発表した。
これが事実だ。今の村上さんの運用規模からすると、なぜそこまでするのだろうと非常に不思議ではあるが。
投資として成功ではあったが
ーー丸木さんと村上さんは今、どのような関係性ですか。
もう10年くらい会ってないが、たまに電話がかかってくる。
今回は私から電話をした。南青山不動産(村上氏の関わる投資会社)がダイドーの大株主になったのを見たから、株主提案に賛成してくれと2回くらい電話で話したかな。彼は賛成するということを言っていた。
ところが総会後に出た臨時報告書で、賛否がすごい僅差だったとわかった。村上さんは謝罪の電話をしてきた。「賛成すると言ったがしなかった。棄権せずに賛成したら、丸木の提案した6人全員通っていた」と。君は噓つきだ、もう電話してくるなと言った。その後、着信拒否にした。