ーーSNS上などでは「ここで売り抜けるのはどうか」と批判的な声が散見されます。
われわれが買い上げることでこの株価にして、そこで売り抜けたのであれば批判もされるだろう。でもそうではない。3月末以降、1株たりとも買ってない。繰り返しだが、1000円を超える水準まで株価が上がったのは、ダイドーの決めた株主還元が理由だ。
われわれは売却という投資判断を新たにした。ほかの株主もこの新しいニュースを受けて判断してよかったかもしれない。(SNSなどは)私自身は見ないんだけど、同僚が教えてくれる。われわれは確かに株主提案への賛同をお願いしてきたが、せめてその総会終了後は、新たなニュースや株価を見てそれぞれの投資家が売買タイミングを判断してもらえないものか。
これまでも、われわれの提案がある程度実現した場合でもそうでない場合でも株価が上がったら株を売っていた。今回も同じことをやっているだけにすぎない。
ーー会社経営を一時的に支配して不動産などを売却処分させ、一時的な高配当で株価が上がったところを売り抜ける。そういう目的でのダイドー株の取得ではなかったのかという指摘についてはどうでしょうか。
今回苦労して、ストラテジックキャピタルとして初めて株主提案を通した。そんな目的でやるわけがない。非常に失礼だ。ふざけるなと言いたい。
仮に株主提案の全員が取締役になっていたら、大増配などの還元にわれわれが賛成するかというと、経営計画を作り直すまでは賛成しないと判断しただろう。そうしないと、自分たちのレピュテーションの問題になってしまう。
ただし、会社の財産は株主の財産でもある。われわれは今回行ってはいないが、そもそも論として、不要な財産を売って株主に返すことを求めたら、なぜいけないのだろうかと思う。
「村上さんに言われてやった」と聞いた
ーーあくまでもダイドーが自ら決めたことだと。
もっと言うと、村上(世彰)さんに言われてやったと聞いている。村上さんが「TOBするぞ」と脅したからだと。
実は株主総会の後、山田政弘さん(会社提案で新たに取締役となり会長兼CEOに就任)にアポイントメントを申し入れていたところ、急きょ会いたいと7月2日に連絡がきて、大増配を発表する前日の7月3日に面談した。